生活機能回復を目的とした高齢者施設

高齢化社会となっている現代では、高齢者向けの施設として特別養護老人ホームや有料老人ホームなど、さまざまな施設が存在している。
その中のひとつである老人保健施設は、生活機能回復を目的とした、リハビリ的要素が強い施設である。

理学療法士や作業療法士、言語聴覚士といったリハビリ専門のスタッフが100名の入所者に対し1名以上常駐していることが、施設の特徴だ。
利用者は在宅復帰を目指しているため、施設ではリハビリに使用する機器や設備を充実させ、一人ひとりに合った個別プログラムで適切なサポートを提供している。

老人保健施設は、介護保険法に基づいて設けられた施設であることから、有料老人ホームのような入居一時金が必要がなく、介護サービス費用も介護保険を利用できる。そのため、食費などの生活費を含めても、ほかの施設に比べて割安な傾向にある。

また、施設では、介護や看護生活を一時的に受けられるショートステイやデイサービスを行なっていることも知っておこう。

もし、介護士が老人保健施設で働く場合は、自宅復帰を見越したケアをすることが求められる。なんでもかんでもサポートしてはいけないため、常に利用者の状態を考えながらケアをしなければならない。

また、リハビリに苦労している利用者にやさしく寄り添うことも重要だ。リハビリは回復が見られない時期は先が見えず、不安を抱えやすいもの。
そういったストレスは身体の状態に大きな影響を与えるため、少しでも心を軽くするような思いやりのサポートをすることが大事である。